1917 命をかけた伝令を見てきました。

1917 命をかけた伝令を見てきました。

1週遅れですが「1917 命をかけた伝令」をIMAXシアターで見てきました。

■アカデミー賞 3部門で受賞

アカデミー賞受賞前から、結構話題作って事で注目されていましたが
最終的に

  1. 撮影賞
  2. 視覚効果賞
  3. 録音賞

の3部門で受賞しました。前評判としては
「可能な限りワンカット(長回し)で撮影した迫力の映像」といった感じで
割と技術的な部分で注目をされている作品でした。

■第一次世界大戦時のとある伝令の物語(あらすじ)

1917年。第一次世界大戦のヨーロッパ戦線。なかなか映画の題材としてはめずらしい第一次世界大戦。
これまでの「戦争」とは違う、戦車や重火器、毒ガス等、戦い方そのものが近代化し、次第に国そのものを巻き込む「総力戦」となった第一次世界大戦。本作は、その渦中の中のとある伝令2人にフォーカスした、とてもミニマムな作品。

ドイツ軍と連合軍との戦い。
ドイツ軍は、戦線を後退させ撤退を行っていた。連合軍はこの機を逃さず、戦線をあげようとしていた。
そんな中、このドイツ軍の後退は、戦略的もので連合軍をおびき寄せるものだという事を
連合軍は航空偵察部隊から入手する。

連合軍D連隊は総勢1600名もの将兵が所属していた。
もしこのままD連隊が戦線を上げれば、部隊は全滅してしまう。

この危機を止めるべく、連合軍は攻撃命令の中止を伝令する。
無線技術等はまだ発達していなかった時代。地理に強いという理由と、そして同じ部隊に所属していた
トムとウィリアム 2人の若い兵士に伝令の任務が降りる。

トムにはD連隊に所属する兄がおり、この危機に気持ちが急ぐ。一刻も早く向かわなくては。
一方、身長なウィリアムは夜をまってからいくべきだと主張する。しかし、家族の命がかかっているトムには
夜を待つ時間は無いと判断し、二人は即座に出発する。

■BF1的世界観。

まさに自分のソウルゲームのBF1の世界観で、その映像は非常に見覚えのあるもので
寒々しく、湿ったグレーがかった世界。BF1がそういった時代背景や世界観を非常に綺麗に表現しているゲームなんだなという事を再確認する。なんというかBF1の聖地巡礼をしているかのようだった。

BF1が好きな人はその映像に非常に楽しめるのでは無いだろうか?

■ストーリーとして見た場合には…

正直な事を言うと、ストーリーや話としてはとてもあっさりとした内容だった。
というのも、この物語はこの二人が世界を救うみたいな壮大なストーリーでは無く、若い二人の兵士が
攻撃中止命令を伝えに行く”だけ”の話という事。

とても語弊はあるかもしれないけど、物語の大まかな部分はこれだけだろう。
本作は、はっきり言って「ワンカット」で撮影した事を観る映画なのかもしれないと感じた。

まず、この「ワンカット」ありきという事で基本的に若い二人の兵士にフォーカスするため
非常に目線が近い。そして狭い。なので、ストーリーとして楽しむよりは
この若い兵士と非常に近い体験をし、「生と死」というモノをその圧倒的な技術で追体験する
という事に重きをおいているような気がした。

■ワンカット撮影を気にしてしまう。

可能な限りワンカットという事で基本的に、若い兵士二人にビハインドカメラ的な視線でついていく事になる。
2時間近い作品だが、作品中は基本的に時間列が一直線でリアルタイムに流れていく。
(気絶し、時間が進むシーンはあるが)

長回しで撮影が行われ、つなぎ目の無いシームレスな映像でこの二人の兵士のリアルな目線を描いている。

しかし、このワンカットが非常に気になる。というのも、この映画、トレーラーの時点から「ワンカット撮影」について
非常に推している。なんで観る側もそれを非常に気にしながら観る事になる。

もちろん全編をワンカットで撮るなんて不可能なので、カットごとにつなぎ目は非常に綺麗に繋げられている。
カットごとに天気/気候などの条件をあわせるといった苦労もあったらしい。しかし、観る側としては
その繋ぎ目を探してしまう。

「あ、今このシーンで切ったんだな」などと、どうでもいい詮索をしてしまう。
それを確認するたび、この「1917」という作品が「作られた世界」だという事を非常に感じさせるのだ。

当たり前の事を言ってるんだが、「生と死」を追体験させるという点では、これは非常に大事な事なのでは無いだろうか?

この映画を見て思った事、それはなんだかPS4のゲームみたいだなという事。
カットの繋ぎ目をつなぐため、まったく違和感の無いように映るよう工夫される。
この工夫が、PSゲームによくある、バックグラウンドローディングを行っているような状態に感じた。

総じて、二人の兵士目線でこの映画を体験する事ができない作品だと感じた。

■ワンカットのための脚本

長回しで撮るために、ある一部のシーンを除き、基本的に若い兵士2人と、そのシーンに居合わせた数人という展開が続く。
その部分に関しては、基本的に「どこから狙われいる、見つかるかわからない」という緊張感という事で演出に使われてもいる。
この点についても、「ワンカット」という事を強く意識してしまう原因であると感じた。

■「ワンカット撮影」というアイデンティティ

非常に辛口になってしまうけど、本作は「ワンカット撮影」という事だけのように感じた。
もちろんその技術は素晴らしいし、WW1の寒く、湿った退廃的な世界観は非常に美しかった。
しかし、もしこの映画が「ワンカット撮影」で無かった場合に、この映画は一体何が残るだろうか?

この手法で撮る事に全てを注ぎ込んだ作品なんじゃないかと個人的に思った。

IMAXシアターという音や映像がブーストされた状況で見てこそ意味のあるもので
DVD等で観る価値がこの映画にあるのだろうか。

本作を見終わったあとの個人的な感想は「なんか疲れたなぁ」という事だったという事。
んーーーなんか非常に辛口になっちゃったけど、ちょっとハードルが上がりすぎていたかな
というのが正直なところだった。