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消費者庁:景品表示法の新運用基準について

映画

フォードVSフェラーリ 見てきた。安心して見られる快作

フォードVSフェラーリを見てきました。
何となく前評判は良い感じだったんだけど、なぜか地元では早々と上映枠が削られ
昼と夜の2枠まで減っていた。

枠減りが早い映画は若干構えてしまうのだが「音」が凄いという事なんでIMAXで見てきた。

結果から言うと久しぶりに安心して見ていられた快作だった。

車の話という事で男だけが楽しい映画かと思いきやたぶん女性でもすごく楽しめると思う。おそらく子供も楽しいと思う。

総じて、ファミリーで見ても全然「いい映画だったね!」と素直に言える映画だろう。
それぐらいストレートでシンプルに面白く纏まっている

もちろん車好き、オールドカー好きなどにもビンビンに来る所だろう。
これだけ広い範囲におすすめ出来る映画というのも中々珍しい。

なんで「車とか興味無い!」って人でも安心して見てほしい。

本作のアウトラインはざっくり


■巨人フォードと、職人気質のフェラーリ

ベルトコンベア式製造方法などを取り入れ、アメリカの一大産業として巨大化したフォード
しかし、それと同時に巨大化した事でのフットワークの重さというのもあるのだろうか?
マンネリとしたラインナップで経営者のフォード2世は危機感を覚えていた。
このままではフォードは他メーカーにシェアを奪われ衰退していってしまう。

そんな状況を打開するべく、フォード社の副社長であるリー・アイアコッカは
当時、ル・マン24時間耐久レースで連覇していた「フェラーリ」の買収を提案する。

職人気質あふれ、質実剛健、そして何よりも真紅のボディはセクシーで
技術力・ブランド力においてフェラーリはフォードよりアドバンテージがあった。
それらを自社に取り込む事でフォードは新生しようとしたのだ。

「市販車を売るため、フェラーリのレースに強いブランド力が欲しいフォード」

に対して

「フェラーリは、レースに最大限力を入れるために、車を売る」

と。一見それぞれが補完しあえる関係にも見えなくは無いがそこには何かしら
超えられない壁のような、アイデンティティの相違を感じられた。

交渉が続く中、フェラーリ創業者エンツォは
「もしフォードがレース参戦を否定的になった場合はレースから撤退する」という条件だけは
絶対に飲めないとし、土壇場で買収を破談させる。

そしてそればかりか、このフォードからの買収を利用し、フィアット社からフォードよりも高額な金額を
引き出す事に成功する。

利用された挙げ句、フォード2世に対しても「偉大な祖父には及ばないな」という言葉を贈り挑発するエンツォ。

かくしてフォードのフェラーリ買収は失敗に終わる。社に戻りフォード2世に対して
説明を行う副社長のリー・アイアコッカ。

リー・アイアコッカはエンツォから投げられた侮辱的な言葉もそのままフォード2世に
伝えた。

怒ったフォード2世は、ル・マンでフェラーリに勝つべく
フォードの威信をかけた戦いを行う事を決める。


というのが物語の始まりである。
フォード側が主役なので、当然フォード側の目線になるのだが
どうもWikipediaで調べた所、フェラーリ側もこの時は色々と「アレ」な状態だったらしい。

本来であれば前述した通り「補完しあえる関係」だったのに
それを許さなかったのはやはりアイデンティティの相違が大きいのだろう。

ちなみにこの映画フェラーリというタイトルが入っているが、フェラーリについては何かライバル程度にしか描かれない。
フェラーリ自体にも深い歴史はあるので本作を見る前にWikipediaなどで予習があると良いかもしれない。
エンツォ・フェラーリ Wikipedia


■夢、プライド、勝負、家族…

そんな中白羽の矢がたったのが、過去にル・マンでの優勝経験がありながらも
持病により、レースからは引退し、現在はオーダー式のスポーツカー製造を手掛ける
マット・デイモン演じるキャロル・シェルビーだった。

そしてキャロル・シェルビーはこのプロジェクトのドライバーとしてクリスチャン・ベール演じるケン・マイルズに声をかける

マイルズはレーサーとして才能を持ち合わせているのに、日の目を浴びる事無く
ほそぼそと自動車修理工場の運営で家族を養い、そしてレースに出場する
というような生活を送っていた。

シェルビーとの出会いも、このレース場でのいざこざからだ。
マイルズは、なんやかんやで借金?税金?が払えず、修理工場を差し押さえられていた。
これまでレースの世界に未練を残してきたが、家族を養うため
これからは「ただ太り・老いて行く」と宣言し、地道に働く事を約束する。
おそらく「レーサー」としての彼が好きなのであろう妻のモリーは
その決断にとても複雑な思いを持っているようだった。


そんな露頭に迷っている中、シェルビーからフォードのレーシングカープロジェクト(ル・マン参戦)に誘われる。

シェルビー「90日でフェラーリを倒すぞ!!」

マイルズ「アホかッ!!」

そんなやり取りをしつつ

マイルズ「仮に90日という点を100歩譲ったとして、フォード程肥大化した組織ではやりたいようにやるなんて無理だろ!!絶対に横槍が入るんだ!」

日給200ドル/経費別(当時の)も失業中のマイルズからしたら願ってもいない好条件。
しかしあまりにも無謀な挑戦だし、マイルズの言う通り、フォード側のいろんなしがらみが邪魔で絶対に上手くいくはずがない!

やさぐれたマイルズは悲観的だが、シェルビーは「ル・マン参戦の発表会に参加するので、それに出席して決めて欲しい」と伝える。


息子のピーターを連れて発表会へ来たマイルズ。
ちょうど、参戦の発表と同時に、新車のフォード・マスタングも展示されていた。
興味津々のピーターがドアを開けて社内のインテリアを眺めていると

「手を触れないで!」

と強い口調で注意を受ける。注意をしたのは副社長のレオ・ビープ
くだらない縦社会というものが大嫌いであろうマイルズは
この扱いにカチンときて、マスタングの販売責任者であるレオ・ビープに対して

マスタングのディスりを見せる。

マイルズの企業というか下らない建前社会みたいなモノへの反骨精神というのもわかるような気もするが

大衆車として輝かしいデビューをしようとしている自社製品をいきなりディスられたらそりゃムッとするだろうと思うのだが。

マイルズ的にはフォードの体制的な部分を見抜いていたのかもしれない。
それが、前日のキャロル・シェルビーとの会話の中にもにじみ出ている。

まぁこの時からマイルズと副社長のレオ・ビープの確執生まれる。

そんな中でシェルビーは飛行機で派手に登場し
ル・マン参戦について演説を行う。

マイルズとしてはこの演説の中で"大企業フォードとして"というベクトルでは無く

"レーサー"や"エンジニア"としての誇り、プライドをかけて

というような感じで演説をしてほしかったのだろう。

しかしまぁ場の空気もあってシェルビーは

「フォードバンザイ」的な事をスピーチし拍手喝采を受ける。
それを観てゲンメツしてあとを去るマイルズ。

いや、マイルズ的な考えもわかるよ?!わかるけどこの場ではフォードバンザイだろうが安牌でしょう!?

と思った自分はサラリーマンです。
 


その後なんやかんやあって、妻のモリーからの叱咤激励?的なのもありーので
マイルズはプロジェクトへの参加を決意する。っていうのが大まかなあらすじです。すげー長くなったけど。。。


■本作はシンプルにチャレンジ・友情・家族・プライドというような
要素が盛り込まれたストレートで分かりやすい構成。だから広い範囲で楽しめる。

本作は男が大好きそうなテーマではあるんだが、実際に見てみると女性だったり
家族だったり、親子だったりと色々な層がシンプルに楽しめるようになっている。

ちょっと細かくフォーカスしてみよう

■マイルズの妻モリー、息子のピーター

思い返せば、女性のキャストはマイルズの妻のモリーぐらいしか出てこなかったような気もするんだが、そのモリーは

レーサーとしての夫に惚れ込んではいるものの、やはり現実的な部分も持っていて
子供含めた3人の生活も守らなければいけない。
夫のプライドといったモノを守って上げたいという思いと現実的な面(お金)もあり
何というか非常にアンニュイな立場で揺れている女性というような感じだ。

このモリー目線に共感してしまう女性も多いのではないだろうか。
ル・マンで走る夫をテレビで見つめ応援している姿は、ヒロイン的であり
"家族"というテーマ、"女性"というテーマを象徴しているように見える。

そして、息子のピーター。何というかこの子の演技ってすごく上手く感じたんだが。

マイルズの家族関係は非常に良好である。理解のある妻に
自分をヒーローとしても見てくれている息子。

割とつねにピリピリしているようなマイルズも、家族の前ではかなり穏やかな感じだったり。
マイルズの家族は理想の家族そのものなわけで、こういった部分は

実際に夫婦でこの映画を見たりすれば非常に深い思いを感じるのでは無いだろうか。


■フォード2世

作中爆笑必須なシーンがある。これは映画の予告トレーラーでもあるんだが
フォード2世がバッキバキのGTマシンに乗り込み大絶叫し大泣きするというシーンだ。
軽く60は超えたダルンダルンの体。いわゆる社長体型。というか"社長"なんだが。

フォードというアメリカを代表する企業を守る威厳・尊厳。
そういったモノにつねに包まれたフォード2世が

爆走するGTマシンの中で
「おかあぁちゃーーーーーん!」と言わんばかりに大絶叫しまくるシーンは
今作一番の爆笑シーンであろう。

爆走を終え急停車する車内。泣き出すフォード2世。困るシェルビー。

ただのギャグシーンかなと思って見たんだが、ここでフォード2世の

「知らなかった…!!こんな…!!親父に見せたかった!親父を乗せたかった!!」

というシーンは非常に琴線に触れる。

威厳や尊厳というものがスピードでぶっ飛んだ時残ったのは純粋な一人の男。

大企業という看板を祖父の代から受け継いだ重圧、プレッシャー
そんな重いモノをこのダルンダルンの老人は守っているのだ。

最近TOYOTAのCMかなにかでトヨタ社長の

「世間的には電気だエコだって言ってますけど、個人的にはガソリン臭くてうるさい車が好き!」

というコメント残していたのを思い出す。何というか『少年』のような心というか。
このフォード2世のシーンはそういった部分を上手く描いているなと思った。

大爆笑シーンと見せかけての感動シーンという気持ちの唐突のオンオフに
良い意味でビックリするギミックだろう。

個人的にフォーカスしたのはこの辺。それ以外にもこの映画には
「わかりやすくシンプルでストレート」な面白さが詰まっていると思う。
是非、男くさい映画と距離をおかず広い人に見てもらい。


もちろん「男っぽい」要素も全開

自分は車ファンと言うわけでは無いが、モータースポーツ的な文化やファッション・カルチャーは大好きだ。
今作の主人公の一人キャロル・シェルビー。彼が手掛けたプロダクトは今も伝説的なプロダクトとして
扱われている。

所さんが以前乗っていたシェルビー・コブラだったり、様々なマッスルカー的なプロダクトだったり。
今作のGT40も後のカルチャーだったりに大きな影響を与えているだろう。
GTA5とかに本車をモデルにした車が出たりしたが

まぁ何というか、そういった『カッチョいいもの』がこの映画には満載だろう。

本作は「音」がすごく良い。エンジンの轟音。その迫力。
本作がIMAXで見るのをおすすめされている理由だろう。

後半のル・マンのシーンも非常に迫力のあるシーンが満載だ。
CGに極力頼らない映像作りは本当にスピード感と緊張感をもたらしてくれる。

「いいぞ…ベイビー!」なんて運転しながら言っちゃうってよくよく考えたら結構ダサいような気もするが
言っちゃうんだから仕方が無い。

ギリギリの緊張感もメーターのレッドゾーンで表していたりと結構オーソドックスなんだけど。

それでも迫力ある絵と音がそれらを最高の"ベタ"にしているんだろうなと個人的に感じた。


今週に入るともしかしたら上映が少なくなってきているかもしれない。

男臭い映画と毛嫌いせず、彼女と、妻と、子供と、家族と…
色々な人が最高に楽しめるエンタメ映画なので是非とも劇場で
迫力を体験してもらいたいと思う。

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